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November 09, 2007

第20回東京国際映画祭にて

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10月20〜28日という日程で開催された東京国際映画祭。せっかくの機会なので、普段なかなか観られないものを、と思ったのですが、日程の都合でなかなか難しく、これから公開される映画が中心になりました。舞台挨拶やトークショーがあるのが映画祭らしいところでしょうか。

特別招待作品が2本、ワールドシネマ(ヨーロッパや南北アメリカの作品を中心に、世界で話題になっている新作の数々を紹介する新部門)1本、エドワード・ヤン監督追悼特集1本、の計4本。

エンジェル」  F・オゾン監督
1910年代の英国を舞台に、妄想好きな少女エンジェルが、小説家として成り上がっていくストーリー。社会的な成功をおさめても、他者と結局はわかりあえないまま。あまりに強烈な自我が哀しい。シャーロット・ランプリング演じる編集者の妻のセリフ、「悪趣味でぶしつけで嫌いだけれど、興味深いわ」という感じ、まさに。しかし、オゾンの作品にしては、ひねりも新鮮味もなく、物足りない気がしました。

インタビュー」  
大好きな俳優、スティーブ・ブシェミの監督作。テオ・ヴァン・ゴッホ(画家ゴッホの弟テオのひ孫、2004年に殺害)のオランダ映画「Interveiw」のリメイク。
ついつい”おかしみ”を期待して観ていましたが、そういう感じではありませんでした。舞台劇のようで雰囲気がありましたが、単調だったかも・・・彼は何故この作品をリメイクしたのかな。
シエナ・ミラーが使っていた携帯、私のと色違いでした。

オリオン座からの招待状」チケットをいただいたので。
う〜む、なるほど・・・長く感じてしまった。しかし、宮沢りえのたたずまいは本当に清楚で美しく、夫を失った後に自転車を漕いで森の中へ消えて行くシーンはとても良かったです。上映前に舞台挨拶があって、原田芳雄、宮沢りえ、三枝監督が登場しました。

ヤンヤン  夏の想い出」  エドワード・ヤン監督
結局のところ一番良かったのは、この作品。今年の6月29日に急逝したエドワード・ヤン監督の死を悼み、未公開作品を中心に5作品を上映するとともに、関係者による講演を行ったうちの一本。未公開作品も観たかったのですが都合がつきませんでした。「ヤンヤン」を、再び大きなスクリーンで観られたのは感無量でしたし、上映後のトークショー(主人公のNJ役、ウー・ニエンジェンがゲスト、詳細は後述)がとてもとても良かったです。

結婚式で始まり、葬儀のシーンで終わるこの映画、台北に暮らすNJ一家を巡る物語。それぞれが皆、何かを抱え、迷いながら生きている。「人生をやり直すなんて意味が無い、結局同じことなんだ」など、心に残るセリフがたくさんあって・・・そして最後のヤンヤンが読み上げる手紙のところで、また泣いてしまった。登場人物を見つめるまなざしがやさしく、暖かい。見終わった後に感じるもの(映画の場合、「読後感」にあたる言葉って何なんでしょう)が、アルノー・デプレシャンの「キングス&クイーン」に似ている気がした。

上映後のトークショー、ゲストはNJ役のウー・ニエンジェン。彼は本来は脚本家であり、候孝賢とも縁の深い人です(「恋恋風塵」「悲情城市」「戯夢人生」などで脚本を担当)。今回の映画祭で国際審査委員の一人でもあります。
日本と台湾の共同制作であるこの映画が台湾では公開されておらず、ウー氏は今回初めてスクリーンで観たという驚くような話や、監督から提示される作品のテーマは、例えば「生きるとは」とか「宗教とは」など深淵なものが多かったとか、とても論理的に構築して作品を撮っていた(候孝賢監督の方が、感覚的だ)とか、ヤンヤンの第一稿は英語で書かれていたとか・・・ユーモアを交えながら、いろいろとお話してくださいました。知的で少しシニカルで、とても素敵な人でした!共演したイッセー尾形について「素晴らしい!!」と言っていたのには、自分のことのように嬉しくなりました(本当に良かったので)。
E.ヤン監督について、それにしても・・作品が少なすぎますよね、という言葉に実感がこもっていました。本当に、もっと撮りつづけて欲しかった。シアターコクーンがいっぱいになるほど、彼を惜しむ人がたくさんいることに(もちろんもっともっといるでしょうけれど)、胸がいっぱいになりました。

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Comments

こんにちは!
とうとうドイツでも公開されたので『インタビュー』観ましたよ〜!
おかしみはたしかになかったですね。。
ikoさんがおっしゃるように、どうしてまたこの作品のリメイクを撮ったのでしょうねぇ??不思議です。
演じるふたりにとっては、大変な作品なんじゃないのかなあと想像してます。ずっとふたりっきりなんですもんねぇ。。
大好きなあの方が出てるせいか、オリジナルよりリメイクのほうに軍配を上げたいです!オリジナルもできたらまた観直したいです。

もうすぐエドワード・ヤンがこの世からいなくなって1年なんですね。。早いものです。

rbさん、映画って「インタビュー」のことだったんですね〜
あのお方は、割合に職人気質の人なのかな…と、この映画を観て感じましたが、どうでしょう?

エドワード・ヤン…本当に一年って早いですよね。「ヤンヤン」のラストシーンを思うと、いつも暖かい気持ちになります。そして切なく。
そういえば先日、ようやくソクーロフ監督の「太陽」を観ました。イッセー尾形はやはり素晴らしいですね。

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