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March 2010

March 31, 2010

「愛のむきだし」ほか

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すごく観たかったのに見逃していた「愛のむきだし」(園子温監督)。早稲田松竹での上映があると知り、気合いを入れて行ってきました。なにしろ4時間(休憩あり)もあるのです。朝イチ10時20分の回を目指して10時くらいに着いたら大混雑!ちょっと遅かったら立ち見でしたよ…危なかった。観客の8割以上が男性でした。なんでだろう。

さて映画。まさにワイザツで!むきだしで!パワフルな!愛のものがたりでした!!
主演二人が熱演(西島隆弘と満島ひかり)、あと安藤サクラがものすごく恐ろしかった…(お母さんに似ていますね、見た目ね)。ユウの身体能力を生かしたカリスマトウサツ師っぷり、「コリント人への手紙第一」をヨーコが朗々と述べるところ、その他にもいろいろ見所はあるんだけど、結局残るのはシンプルで純粋な愛。最初から最後まで、若さとパワーで突っ走るという感じ。ラスト感動しました。
音楽もとても良くて、ゆらゆら帝国の「空洞です」、ラヴェルの「ボレロ」、ベートーベンの交響曲第7番第2楽章。特にベト7がここ数日頭の中で回っています。


他に、最近観た日本映画で良かったものいくつか(以下2作はDVDで)。

Nonchan

のんちゃんのり弁

小西真奈美は相変わらず透明感があってとても良かった。

経済的に親丸抱えで働きもせず家でダラダラするばかりのダメ亭主(岡田義徳)を見限って、娘ののんちゃんを連れて実家へ帰った小巻31歳。いざ自立しようと思ってもパソコン使えず資格ナシ、短時間しか働けないという条件では職探しも上手くいかず…(の割りにプロっぽい仕事がしたいのよ〜などと言う)そんな彼女が、お弁当屋を開くまでの物語。

後先考えず、猪突猛進だけど、できることできないこともわからず、見ていて周りがハラハラしてしまうような小巻。言葉ではがんばります!とか責任とります!とか言うもののどうにも軽い。大人、じゃないんですよね。だけどそんなの仕方ないよね…とも思う。自分だってそうだった(というか今でもそうかも)と思う。
そんな大人になりきれない彼女やダンナを見守る周囲の目が厳しくも優しくて暖かい気持ちになりました。小巻が修行する小料理屋の主人(岸部一徳!)がすごく良いの。

 ー趣味じゃないんだからちゃんとお金受け取らないと。
  お金をきっちりした上でうまいとかまずいとか考えるんだよ。
  その覚悟はできてる?
  金をもらうのは悪いことじゃない。
  悪いのはなんにもしないで金をもらうこと。

 ー…お金ください。

 ーはい。

 ーありがとうございます。

このやりとり、(個人的に)泣けた!

それから、「サウスバウンド」(森田芳光監督)。
松山ケンイチ目当てであまり期待せず観たのですが、暗さのないさっぱりした映画で好きな感じでした。親を演じる豊川悦司と天海祐希が、肉体派というか…つまり、自分の体を動かして日々の糧を得るという役柄に似合っていました。かっこよかった。

March 14, 2010

没後400年 特別展「長谷川等伯」

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先月、東京国立博物館で開催されている「長谷川等伯展」の内覧会へ行きました。一般のお客様が退場した後の2時間でしたが、かなりたくさんの人が来ていました。

等伯の作品をまとめて見るのは初めてでしたが、初期の仏画から肖像画、金碧障壁画、水墨画まで本当に様々なタイプの絵を描いたんですね。そのどれにも素晴らしいものがあり、画力をまざまざと見せつけられました。能登の七尾から32歳の時に勝負を掛けて京都へ出た(家族を連れて)というのは相当な覚悟があったのでしょうね。凄いことです。


以下、印象に残ったものたち。

「山水図襖」1589年
京都の圓徳院所蔵。和尚の留守に一気に描き上げた作品。隙をみて、って…何と素晴らしいのでしょう。襖の地模様にもマッチしていて美しいです。

「波濤図」
岩と波のタッチが違っていておもしろい。ちょっと劇画調にも見え(というかこちらの方が古い訳だけど)…迫力があります。

「檜原図屏風」長谷川等伯筆 近衛信尹和歌
かっこいい!近衛信尹の書とコラボ。「はつせ山 ゆふこえくれて やどとへば 三輪の檜原に 秋風ぞふく」という歌の『三輪の檜原に』のところだけ(文字では)書かず、絵で表しています。光悦の「舟橋蒔絵硯箱」方式ですね。こういうの大好きです。

「楓図壁貼付」
中学校の美術教科書に、狩野永徳の「檜図屏風」と対で載っていた。私はこちらの方が好きだったんですが、実物は初めて観ました。美しい…近くで見るより、少し離れたところから全体を眺めるのが良いと思います。

「松林図屏風」
最後の最後に登場。描かないことで感じさせる霧深い空気。奥行き。素晴らしい。


昔は水墨画の良さがちっともわからなかったのですが、最近はいいなあ…と思います。静けさもあり、激情もあり、優しさや強さ、墨一色で本当にいろいろなものが表現できることに驚きです。

今回の等伯展、会期が短く東京ではあと十日足らず。大変な混雑のようですが、おすすめです。

March 07, 2010

「夜更かし羊が寝る前に 〜君を捜しに行くまでの物語〜」

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日本では劇場未公開のようですが、あの「ONCE」のスタッフが中心となって作ったと紹介されていたのでレンタルして観ました。原題は「Satellites and Meteorites」、アイルランド映画です。

事故で昏睡状態の男女二人が夢で出会って恋をするという話(かなり乱暴なまとめ方ですね…)で、最初ちょっと設定がわかりづらかったり、途中もいろいろ「?」と思うところもあったのですが、それでも何だか好きな感じでした。登場人物も地味だし小道具も手作り感満載なのですけど、暖かみがあって。
なぜか突然、日本語のセリフが出てきたり、渋谷のスクランブル交差点がとても素敵でロマンチックなもののように言及されていたりして、びっくりしました。アイルランドの人にとってTOKYOってそういうイメージなのでしょうか。単にスタッフの好みかな。

その後、久しぶりに「ONCE ダブリンの街角で」を観ました。やっぱりとてもとっても良い映画だった!出てくる人達はみんな裕福ではなさそうだし問題も抱えているのだけど、それでもまっすぐで誠実で。まっとうに生きていくってこういうことだな、暖かいな、と思える大好きな作品。男の曲に詞をつけるよう頼まれた女が、切らしていたCDプレイヤーの電池を買いに行った帰り、聴きながら夜の街を歩くシーンや、男の父が出てくるシーン、レコーディング明けにドライブするシーン(レコーディングエンジニアは、夜更かし羊で医師役の人だった)…、ラストもすごくいいです。

音楽も素晴らしい…!主題歌の「Falling Slowly」は、第80回アカデミー賞のオリジナル歌曲賞を受賞したんですよね。授賞式を録画してあったのを思い出したので、先日ひっぱりだして見てみました。二人の演奏もあって、映画そのままの素朴でまっすぐな人柄がうかがえ、またも感動。

アカデミー賞と言えば、もうすぐ今年の授賞式ですね!それを見たくて、wowowの無料お試しを申し込みました!楽しみ。

March 06, 2010

もう3月とは…

ふと気づいたら、お雛祭りも終わっておりました。
2月は一体どこへ行ったんでしょう…(まあ、日数も短いし、オリンピックもあったしね)。
そろそろ、心を入れ替えて更新していきたい…ものです。ネタはたまっているので。

さっきテレビで「日本アカデミー賞」授賞式を見ていたら、ペ・ドゥナが出ていました(最優秀主演女優賞候補)。彼女の女優魂には一目置いております。それでいてチャーミングなところや、話し方も好き。「空気人形」は劇場で見逃してしまったのですが、近いうちに絶対観るつもり。共演したい俳優は?という問いに、「香川照之さん」と答えていました。最近やたら出ている香川氏ですが、ポン・ジュノ監督作「TOKYO!」にも出ていることだし、ぜひ実現してほしい組み合わせです。

ポン・ジュノ監督といえば、1月に「母なる証明」を観たのですが、なんとも圧倒される作品でした。
殺人容疑で逮捕された息子の無実を証明するために奔走する母親が主人公。観ているうちに一体何が正しいのか、おかしいのはどちらなのか…と自分の価値判断が揺らいでいくよう。その答えは提示されず観客にポーンと投げられる。なすすべもない我々は、あの母親と同じように「イヤなことを忘れるツボ」に針を打ち、ただただ踊るしかないのかもしれない。
ものすごく引き込まれる力のある映画でした。母役のキム・ヘジャはもちろんのこと、久方ぶりの映画出演である、息子役のウォンビンも素晴らしかったです。

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