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February 2011

February 02, 2011

「ノルウェイの森」

Dscf0045

ノルウェイの森」2回目観てきました。
私はやっぱりこの映画がとても好き。同じシーンで泣き、同じセリフで心が痛くなりました。

原作小説は高校生の頃に読んだものの、よくわからなかった。数年前に読み返した時もあまり好きではなかった。登場人物がみんな暗く実体がないようで共感できなかったから。でも今回、初めてこの世界が理解できた気がした。失うこと、背負うこと、立ち止まること、通り過ぎて行くこと、そんなことに満ちていた時代、あの頃を(小説の始まりがそうであったように)回想し、経験し直すような(それは過去で完結しているものではなく、現在に繋がっており、私たちは相変わらず何かを失い続けている)。

村上春樹の小説に浸かってきたことによるテキストとの相乗効果で、描かれていないことまでも補って感じることができた気がします。
ワタナベは一生懸命に相手に向かい受け止めたいと願うけれど、何もわかっておらず自身が混乱の中にあり、最後はポーンと放り出され途方に暮れる(僕は今どこにいるんだろう)。それって本当に村上春樹小説の主人公そのものなんですよね、常に。
そして直子。菊地凛子は本当に素晴らしかった。正直なところ、小説では理解できず好きでもなかったのですが、映画の直子は壊れそうなくらい繊細で、とてもとても魅力的でした。療養所を訪ねて来たワタナベに、早朝の草原を行きつ戻りつ心情を吐露するシーン、悲痛な叫びに胸が張り裂けそうでした。

菊地凛子を始めキャスティングや(松山ケンイチも「ワタナベ」そのものだった)、リー・ピンビンの叙情的で瑞々しい映像も素晴らしかった。そして、監督がトラン・アン・ユンで本当に良かった、本当に。

あと、どうでもいいことですが…
ワタナベがバイトしているレコード屋に「ペットサウンズ」(ビーチボーイズ)が掛けられていたり、直子と再会する場所が私のとても好きな美術館のテラスだったり、(個展をやった)奥野ビルが出てきたり、と小さなお楽しみがありました。

1回目にシネコンで観たときは、隣の若いカップルがずーっとポップコーンを食べていて気になったのだけど、今回は吉祥寺の映画館でとても空いていて良かった(?)です。周りに観た人があまりいないのだけど、ぜひ観て欲しい。

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