映画

January 03, 2015

2015年もよろしくお願いいたします

2015

新しい年が明けました。この一年が皆様にとって穏やかで暖かいものでありますように。

さて、昨年末12月30日に新宿の東急ミラノ座でさよなら興行の「マトリックス」を観ました。閉館前にどうしても行きたった。ここも、昨年同じく閉館した吉祥寺のバウスシアターも、本当によく通ったのでなくなったのが本当に寂しいです。昨年の元旦はバウスで「Only Lovers Left Alive」、締めくくりはミラノ座。感慨深いものがあります。

恒例のオススメ映画記事を書こうか書くまいか迷いました。昨年は6月以降、マトリックスまで7ヶ月間一本も観なかったから。そんなことは今までになかったことです。観たいものはたくさんあったのに、なぜか足が向かわなかったのは、無意識に心を動かされることを避けていたのかもしれません。心を震わせるものを求めて生きているつもりだったのにね。

といいつつ、昨年観たものを振り返ってみたところ前半は結構観ていたのでありました。ざっと挙げてみると、

オンリーラヴァーズレフトアライブ
ゼロ・グラビティ
47ronin
かぐや姫の物語
ブリングリング
アイムソーエキサイテッド!
鉄くず拾いの物語
サインオブザタイムズ
RUSH
ニシノユキヒコの恋と冒険
はなしかわって
シンプルメン
愛アマチュア
ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅
愛の渦
アデル、ブルーは熱い色
ウルフオブウォールストリート
ブルージャスミン
マトリックス

以上19本。それぞれおもしろかった中で、個人的に印象に残ったものは、

RUSH…疾走感!ストーリーも良し。オススメ。
かぐや姫…映像表現の素晴らしさに圧倒された。
ブルージャスミン…いろいろ身につまされる。ケイトの存在感が大きく、いつものアレンらしさが少ない印象。破滅へのきっかけとなる行動は愛していたからこそよね、と思うと結構幸せだったのではと思ったり。
ウルフオブ…ディカプリオの酷いハチャメチャぶりがいっそ清々しい。
はなしかわって、シンプルメン、愛アマチュア…バウスでの特集上映。ドイツにいる心の友おすすめのハル・ハートリー。根底に流れる人への信頼と暖かさに救われる。
ニシノユキヒコ…敬愛する井口監督の久々の作品。次も待ってます。
サインオブザタイムズ…プリンス愛。何度も観てるしDVDも持っているけど、大きい画面で観たいのです。2回行った。

本当は観たかったもの、もっともっとありました。今年は環境も変わるしどうなるかわかりませんが、がんばって行きたい。で、ぐらんぐらんに揺さぶられたいです!ヨロシク。


March 27, 2013

2012年映画

Assisi


3月もそろそろ終わりの時期ですが、昨年映画館で観たもので良かったものを記録しておきます。自分の備忘録として。

(順不同)

少年と自転車
 ダルデンヌ兄弟。

ル・アーブルの靴みがき
 アキ・カウリスマキ監督

この二つは、少年と周囲の大人たちの物語。一方は親に捨てられ施設にいる少年、もう一方はアフリカからの不法移民の少年。どちらも厳しい環境に放り出された存在だけれど、彼らを受け入れる周囲の大人たちのまなざしが暖かい。みな経済的に余裕のない暮らしをしているし、特別な人達ではないのにもかかわらず、目の前に突然現れた存在を自然に受け止め守ろうとする姿に心打たれた。
私自身、常に親切で良き人でありたいと思ってはいるものの、実際にはそれは自分に関係する人に対してであって、全く未知の存在(むしろ面倒な存在かもしれない)を受け入れることができるだろうか…… 受容できる人でありたいと強く願う。
両監督はいつも、さりげなく暖かく、人に寄り添う映画を作りますね。

細田守監督のアニメーション『おおかみこどもの雨と雪』も、こども(オオカミとの間の)を育てる話。雪のなかを、おおかみこども達が転げ回るシーンがキラキラしていてとても良かった。


ポエトリー アグネスの詩
 イ・チャンドン監督。
 とてつもなく重く苦しく美しい映画。
 「主人公のミジャは一生懸命美しいものを探そうとするのに、生きていく中で醜いもの、汚いもの、苦痛なものに出会わざるを得ない。しかし、そのようなものを通り過ぎた後で美しいものに行き着くのだ、ということに苦しみながら近づいて行きます」
「詩ということは、美しさを探すことである一方で、猥雑であることや世俗的であることと実は表裏一体なのです」(監督インタビューより)
自分はまだまだ全然近づいていない。


かぞくのくに
 ヤン・ヨンヒ監督
 監督の実体験に基づくストーリー。家族はお互いを思いやっているのに個人の力ではどうしようもない状況。理由も告げられず治療も受けられないまま突然帰国することになった兄ソンホの気持ちを思うと苦しい。「お前はこんなの持って いろんな国に行けよ」という兄の言葉を胸に、妹リエが大きなスーツケースを引っ張って人ごみの中を進んでいくラストシーンが良かった。安藤サクラ、井浦新、ヤン・イクチュンなど役者も素晴らしい。それにしても、帰国事業について今回初めて知ったしまだまだわからないことだらけ。監督の他の作品も観てみたい。いい映画でした。


◎私が、生きる肌
 アルモドバル監督
 これは…なんとも奇妙な映画。さすがアルモドバル。彼の作品はヘンな話も多いのだけど、不思議と包容力がある。すべてを受け入れてしまう母性というのか。この映画も、万人にオススメかはわからないけど、とても面白かったです。


最終目的地
 ジェームズ・アイヴォリー監督
 大好きな監督の作品。とても好み。ローラ・リニーが格好いい。映像もとても美しい。真田広之も良かったですよ。


他に、「桐島、部活やめるってよ」「ミッションインポッシブル ゴーストプロトコル」「Pina」(私に取って初の3D映画)なども良かったです。

やっと記事をアップできて良かった…今年もいい映画にたくさん出会いたいです!


January 01, 2012

年が明けました

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バタバタと過ごしているうちに、激動の2011年が過ぎ去り新しい年を迎えました。
月日の経つのが本当にはやくて年越しという感じもしなかったのですが、なんだかんだ忘年会や大掃除などをしていると、そんな気分になってくるのが不思議。

昨年は大震災や原発事故、台風等、本当に大変な事が続きましたし、外に目を向けても激動激変の事件だらけでした。辛い状況はまだ続いているし、振り返る時期ではないけれど、私にとって1995年(世界はもう安全な場所ではないのだ、と強く心に刻まれた年)と同様、忘れがたい一年になりそうです。
連日の悲しい報道、街から灯りが消え、海外から来るはずだったたくさんの展覧会や音楽やバレエ公演がなくなり、多かれ少なかれ日本が傷ついていたあの頃に、来日して勇気づけてくれたシンディ・ローパーやシルヴィ・ギエム、(他のたくさんの人たち)…本当に有り難く嬉しかった。

個人的には、1月に四国旅行(はるか昔のことのようですが…。できたばかりの豊島美術館がとても素晴らしかった。内藤礼の、”自分という存在とそれが含まれる世界との関係”を感じさせる作品が好きです)、8月にイギリス旅行。夏にグループ展、秋に個展。
7月には我が家に子猫がやってきました(日暮里で拾われたサビ猫サビー♀)。ヤンチャぶりに振り回されつつ、可愛さにメロメロ。家の中に小さな生き物がウロウロしているのって何だかいいものです。

さて、例年おすすめ映画をあげている年初のご挨拶ですが、さっき数えてみたら観た映画が少ない。特に下半期はぐっと減っていて、やはり猫が来たからか…?と思ったり。
とはいえ、(数少ない中でも)良い映画はたくさんありましたので、いくつか挙げてみようと思います。


◎神々と男たち
1本を選ぶとしたら迷わずこちら。
2010年カンヌ国際映画祭 グランプリ受賞。
1990年代、アルジェリア山間部の小さな村にある修道院で共同生活を送る修道士たち。イスラム過激派の脅威が迫る中この国を去るべきか否か、自己への問い、それぞれの苦悩を経て決断の時を迎える。チャイコフスキーの白鳥の湖が流れる晩餐のシーンで涙が止まらなくなった。国を出るべきか悩む修道士の話が、どうしても当時の日本の状況と重なってしまったが、話が進むうちにより深く宗教的なテーマに引き込まれて行った。
3月26日シネスイッチ銀座にて。イルミネーションが消え真っ暗な銀座で観たことは一生忘れないと思います。

悲しみのミルク
初めて観たペルー映画。
テロの恐怖と混乱が渦巻いた南米ペルーの歴史を背景に、一人の女性の過酷な日々と再生への希望を寓話的に綴る。監督はパルガス・リョサの姪、クラウディア・リョサ。苦しみの歴史、白人と先住民との関係なども描きつつ、ラテンアメリカ独特の空気や生命力を濃密なイメージで綴る。希望の持てるラストシーンも良かった。

◎トゥルーグリッド
過去記事参照→

◎アレクサンドリア
紀元4世紀のエジプトアレクサンドリア、それまでの神々が否定され、新興のキリスト教が勢力を伸ばす中、宗教間の争いが激化… そんな中、哲学者、天文学者のヒュパティアは自身の研究に没頭するが、彼女を邪魔に思う主教と軍の手が迫る…
宗教的非寛容というのは日本にいると実感としてわからないけれど、集団で他者を排除するということは過去を振り返るまでもなくあることで、本当に恐ろしい。
特定の宗教の話ではなく、自分の身に引きつけて考えることのできる力のある作品だった。

他に、「ノルウェイの森」「バーレスク(シェール素敵!)」「冷たい熱帯魚(好きではないのだけど…でんでんが恐ろしい)」「英国王のスピーチ」「ダンシング・チャップリン(昨年はローラン・プティも亡くなり寂しい)」など良かったです。DVDで観た「サイタマノラッパー」最高!


大変なことも多かったけれど、たくさんのご縁を得た2011年でした。
今年も心をオープンに地に足をつけていきたいと思います。
そしてまたたくさんの映画を観られますように。

2012年がみなさまにとって、健やかで暖かいものとなりますように。
今年もよろしくお願いいたします。


(個人的備忘録)
ノルウェイの森、エリックを探して、バーレスク、グリーン・ホーネット、再会の食卓、冷たい熱帯魚、ミツバチの羽音と地球の回転、ソーシャルネットワーク、英国王のスピーチ、はなればなれに、神々と男たち、SOMEWHERE、アレクサンドリア、悲しみのミルク、私を離さないで、トゥルーグリッド、ブラックスワン、パイレーツオブカリビアン3、アジャストメント、ダンシング・チャップリン、マイバックページ、ゴーストライター、カウボーイ&エイリアン、必死剣鳥刺し、SATC2、鉄男THE BALLET MAN、天安門 恋人たち、サイタマノラッパー、武士の一分、紳士は金髪がお好き、カサブランカ、追想、トイレット、ハングオーバー、パリで一緒に、おしゃれ泥棒

May 24, 2011

「トゥルー・グリット」

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バウスシアターにて「トゥルー・グリット」。

父親を殺された14歳のマティが、アル中で隻眼の連邦保安官ルースターとテキサス・レンジャーのラビーフと共に犯人を追跡するという、とてもシンプルなストーリー。コーエン兄弟がなんで「The 西部劇」なのかと思ったけれど、それを全面に出している印象はあまりなかったです。インタビューでも「単純にこの物語が1870年代のアーカンソーを舞台にしているから、西部劇になっただけ」と言っていましたが。
とにかく主人公3人の関係が格好良かった。始めは子供扱いしていた彼女のことを、ルースターもラビーフも認めていく。それぞれが独立して甘ったれず、シンプルに目標を目指す姿がハードボイルド!ルースターがマティを抱えて走る夜空の美しさ。
ラストがとても良くて…より味わい深く心に刻まれる作品になっている。マティの「私も彼と賑やかで楽しい旅をしたわ」というセリフが素晴らしい。

テキサスレンジャーはマット・デイモンだったのか…全然気づかなかった。そして、ジェフ・ブリッジスがカッコイイ!!
コーエン兄弟もすっかり円熟してきましたが、ところどころ抜け感やフェイントがあるのが、彼ららしくて好きでした。「ミラーズクロッシング」「バートン・フィンク」ってもう20年も前なんですね。

March 05, 2011

「ソーシャルネットワーク」

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ようやく「ソーシャルネットワーク」を観てきました。

世界最大のSNS、Facebookを創設したマーク・ザッカーバーグらを描いた映画。フェイスブックとは何かを語るのではなく、割合に古典的な青春物語としてとても面白かったです。
コンプレックス、自負、スポーツマンvsオタク、友情、裏切りといったドラマがはっきりしているので2時間があっという間で、これで終わり?という感じでしたが、確かに現在進行形の話ですもんね。
映画の冒頭でマークがガールフレンドに振られるのだけど、「そりゃそうだ。感じ悪いよ、マーク」と言いたい。本人は思ったことを言っているだけで悪気がないのがますます腹立たしい。でもこういう人っているよなぁ、と思ったり。

ザッカーバーグと対立する、ボート部の花形で名門出のウィンクルボス兄弟が、排他的なコミュニティーを作ろうとしたりするくせに紳士であろうとしたり…なかなかに興味深い人物造形でした。ハーバードの学長にあしらわれるシーンが痛快。

映像や音楽もテンポとノリがいい。双子を一人の俳優(アーミー・ハマー)が演じているっていうのが驚き。凝っている…

それにしても、ソーシャルネットワークというもの自体は…なんていうかシンプルな欲求から生まれたものですよね。それが何億ドルもの資産を生んだり、社会情勢を変える一助になったり、なんとも不思議な時代になったものです。
フェイスブックは前に登録だけしたものの何だかよくわからなくて放置していましたが、最近ちょっと復活してみました。(でもやっぱりよくわからない)

February 02, 2011

「ノルウェイの森」

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ノルウェイの森」2回目観てきました。
私はやっぱりこの映画がとても好き。同じシーンで泣き、同じセリフで心が痛くなりました。

原作小説は高校生の頃に読んだものの、よくわからなかった。数年前に読み返した時もあまり好きではなかった。登場人物がみんな暗く実体がないようで共感できなかったから。でも今回、初めてこの世界が理解できた気がした。失うこと、背負うこと、立ち止まること、通り過ぎて行くこと、そんなことに満ちていた時代、あの頃を(小説の始まりがそうであったように)回想し、経験し直すような(それは過去で完結しているものではなく、現在に繋がっており、私たちは相変わらず何かを失い続けている)。

村上春樹の小説に浸かってきたことによるテキストとの相乗効果で、描かれていないことまでも補って感じることができた気がします。
ワタナベは一生懸命に相手に向かい受け止めたいと願うけれど、何もわかっておらず自身が混乱の中にあり、最後はポーンと放り出され途方に暮れる(僕は今どこにいるんだろう)。それって本当に村上春樹小説の主人公そのものなんですよね、常に。
そして直子。菊地凛子は本当に素晴らしかった。正直なところ、小説では理解できず好きでもなかったのですが、映画の直子は壊れそうなくらい繊細で、とてもとても魅力的でした。療養所を訪ねて来たワタナベに、早朝の草原を行きつ戻りつ心情を吐露するシーン、悲痛な叫びに胸が張り裂けそうでした。

菊地凛子を始めキャスティングや(松山ケンイチも「ワタナベ」そのものだった)、リー・ピンビンの叙情的で瑞々しい映像も素晴らしかった。そして、監督がトラン・アン・ユンで本当に良かった、本当に。

あと、どうでもいいことですが…
ワタナベがバイトしているレコード屋に「ペットサウンズ」(ビーチボーイズ)が掛けられていたり、直子と再会する場所が私のとても好きな美術館のテラスだったり、(個展をやった)奥野ビルが出てきたり、と小さなお楽しみがありました。

1回目にシネコンで観たときは、隣の若いカップルがずーっとポップコーンを食べていて気になったのだけど、今回は吉祥寺の映画館でとても空いていて良かった(?)です。周りに観た人があまりいないのだけど、ぜひ観て欲しい。

January 25, 2011

「バーレスク」

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観てきました「バーレスク」!
すごく面白かった!!
とにかくクリスティーナ・アギレラの歌とダンスが素晴らしい。クラブ売却の危機とかロマンスとか、あるにはあるけれど(結局どれも上手くいくし、ものすごく強力な敵も出てこないし)、まあお約束のストーリーなのですが、これはとにかくステージを堪能する作品。

田舎からチャンスを求めてロスへやってきたアリ。ライバルの意地悪で音響を切られ、とっさに生声で歌いだすシーン、待ってました!という感じ。そこからの怒濤のステージシーンが本当に格好良かった。
シェールも負けてはいません。
金策も上手くいかずダンサーの裏切りにも遭い疲れて帰途につく前に、誰もいないステージで「どんなことが起ころうとも、私は負けない!」と歌うテス。本当に鳥肌がたちました。
シェールは「月の輝く夜に」という素敵な映画を観て以来、(奇抜な)ファッションも含めて、気になる存在。相変わらずカッコいいです。

つくづく私はこういうステージものが大好き。身ひとつで表現する人を心から尊敬します。
大画面で観るのが絶対にオススメ。また観たい。

どうでもいいことだけど、アリの(ステージメイクじゃない)普段の顔が友達に似ていてびっくりした。

January 01, 2011

2010年映画

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新しい年を迎えました。

昨年は暑い季節が長過ぎて、気づいたら12月になっており、あっという間に年が明けていた…ような。時間の感覚がおかしくなっているみたい。オリンピックやサッカーワールドカップがあったのって2010年ですよね。遙か昔のことのようだ。政権交代もあったし、他にもいろいろ。

個人的にも迷い多き年でした。小さな挑戦や種まきはしたつもりだけれど、それがどこへ繋がるか(もしくは繋がらないか)。自分自身の気持ちも定まらなかった。ちょっと立ち止まって考える時期かもしれません。すっかりさぼっているブログですが、ここに書くことで考えがはっきりすることもあるので今年は頑張って更新します!(例年言っている気がしますが)

さて、<極私的>おすすめ映画2010年versionです。映画館で観たのは28本、DVDなどは20本強でした。下半期はどうしても映画館へ行かれなくなって見逃してしまうのですよね…そんな限られた中で挙げるのもどうかと思うのですが…まあ個人的な記録なので。


特に良かった!のは、

母なる証明
ポン・ジュノ監督
映画的にスケールの大きな作品でした。

愛のむきだし
園子温監督
やっぱりすごく好き。パワフルな愛の物語。

オーケストラ
ラデュ・ミヘイレアニュ監督
人の想いに心打たれる。チャイコフスキー大好き!メラニー・ロランも素晴らしかった。

息もできない
社会の底辺で生きるサンフンと女子高生ヨニ。傷ついた魂が深い部分で理解しあうが運命は容赦ない。胸が痛い。簡単に言葉は出てこない(まさに息もできない)位、圧倒的。サンフンを演じたヤン・イクチュンの初監督作。

ぼくのエリ 200歳の少女
2008年スウェーデン映画。
ヴァンパイア映画なのですが、なんとも詩的で美しく…でも怖い。ちょっと忘れがたい作品です。邦題と、あるシーンの処理(ボカシ)が問題だと思うのですが。北欧の空気感が冬にぴったり。

わたしの可愛い人 シェリ
スティーヴン・フリアーズ監督。
原作はコレット。面白かったなあ…これかなり好きです(もしかして好き嫌いが分かれる映画かも)。シェリの若さ美しさ、身勝手さ。それをわかった上での割り切った付き合いだったはずなのに、気持ちはどうにもならないもので。ココットのレアは相変わらず賢く美しいのだけど、シェリの母(レアの元同僚)がちくちく繰り出すイヤミが沁みる…(「あなたっていい香りね。肌にハリがなくなると香水がよく染み込むのね」とか)。でも結局生き残るのは強いレアなんですよね。ベルエポックのパリ、ドレスや、美術がとても美しかったです。眼福。


その他、「ずっとあなたを愛してる」(監督: フィリップ・クローデル. 出演: クリスティン・スコット・トーマス)、「ナイト&デイ」(トム・クルーズとキャメロン・ディアス!スター映画!気楽に観られて楽しかった)、「スプリング・フィーバー」(ロウ・イエ監督 どことなく漂う圧迫感、だけどパワフルな雑踏。今の中国の空気感をハンディカメラで切り取ったような作品)、「人生万歳!」(ウディ・アレン節健在。おもしろかった!それにしても、恵比寿ガーデンシネマがこれを最後に休館とは…悲しい。今後アレン映画はどこで観れば良いのか)、などなど良かった映画はたくさんありました。


ああ、もう5時…。今年も夜更かしで始まってしまいました。
2011年がみなさまにとって、健やかで暖かいものとなりますように。
そしてたくさんの映画を観られますように!
これからもよろしくおつきあいくださいませ。


(以下個人的メモ)
アンヴィル、牛の鈴音、母なる証明、ジュリー&ジュリア、ずっとあなたを愛してる、Dr.パルナサスの鏡、(500)日のサマー、抱擁のかけら、愛のむきだし、ウディ・アレンの夢と犯罪、マイレージマイライフ、ニューヨークアイラブユー、オーケストラ、息もできない、17歳の肖像、アリスインワンダーランド、アイアンマン2、クロッシング、ローラーガールズダイアリー、ぼくのエリ、インセプション、ミックマック、ナイト&デイ、私のかわいい人シェリ、義兄弟、スプリングフィーバー、人生万歳!
K-PAX光の旅人、トウキョウソナタ、サウスバウンド、恐怖のメロディ、キンキーブーツ、間宮兄弟、のんちゃんのり弁、夜更かし羊が寝る前に、ストロベリーショートケイクス、湖のほとりで、ちゃんと伝える、夏時間の庭、幸せのレシピ、南極料理人、千年の祈り、画家と庭師とカンパーニュ、チェイサー、HACHI約束の犬、マーニー、華麗なる賭け、ゲッタウェイ、大脱走

April 21, 2010

「オーケストラ」ほか

Flower

渋谷のル・シネマにて「オーケストラ」(2009年フランス)を観ました。とっても良かったです!

かつてボリショイ交響楽団の天才指揮者で現在はさえない清掃員のアンドレが、かつての仲間達を寄せ集めて正式なオーケストラになりすまし、パリでの演奏会に出演しようと奮闘する物語。…と聞いていたのですが、意外とあっさりパリに行くことになっちゃうし、かつての仲間達(オーケストラを追放された)も今では音楽への情熱を失っていて日々の暮らしで精一杯だし、気持ちもバラバラで、なんだか今ひとつ乗り切れない、と思って観ていました。

が、ラスト数十分でぐわーっと押し寄せるものがありました。アンヌ=マリーのバイオリンソロを聴いたとたん、団員達の気持ちが一つになった素晴らしい演奏。何故、彼女でなければいけないのか、ということがチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲をバックにバーッと描かれ、涙、涙…。歴史の苦さ(ソ連時代多くの芸術家が排斥された)を背景にしつつ、音楽の力、人の想いを描いた作品でした。
「イングロリアスバスターズ」でショシャナを演じたメラニー・ロランの意志ある美しさが際立っていました。素晴らしい。監督のラデュ・ミヘイレアニュは、ユダヤ系でチャウセスク政権下のルーマニアから亡命した人だそう。

それにしても、チャイコフスキ−大好き!あのロマンチックな感じはロシアならではなのかしら。

ちょっと前に「マイレージ、マイライフ」も観ました。おもしろかったです。ラストがほろ苦い感じなのですが…、ジョージ・クルーニー演じるライアンのその後が気になります。
ライアンと同じく出張族のアレックスが、大学出たての才媛ナタリーに「若いから妥協を負けだと思っているのね(妥協は負けじゃないのよ)」っていうの、わかるー!と思いました。歳を取るって悪くない。ナタリーの潔癖さはまぶしいけれど、余裕と色気でアレックスに軍配(なんだけど…でも…)。
あと、どうでもいいのですが、ライアンとアレックスがカード自慢するシーンがツボでした。(「アメリカンサイコ」の爆笑シーン、名刺対決を思い出して。あれは、時代というか世代限定の笑いかな。)

April 06, 2010

春とはいえ

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なんだか寒い日が続いていますね。
桜は今まさに満開だというのに、なんとなく気分が盛り上がらず。近所の桜をチラチラ眺めているくらいです。明日はついにお花見日和でしょうか。

先週、上野の東京都美術館に「ボルゲーゼ美術館展」を観に行きました。名門貴族であったボルゲーゼ家歴代のコレクションを収蔵している、ルネサンス・バロック美術の宝庫です。ローマにあるのですが、完全予約制なのでなかなかハードルが高いのですよね。
ベルニーニの彫刻、ラファエロ「一角獣を抱く貴婦人」、カラヴァッジョ「洗礼者ヨハネ」、ギルランダイオ等、良かったです。近頃、コンテンポラリーを観ることが多かったのですが、古いものもさすがにいいですね〜
とはいえ、美術館内部が映像や写真で紹介されているのを見るとあまりにも名品揃いなので、やはり実際に訪れたいと思いました。ベルニーニの「アポロンとダフネ」を直に観たい!


その後、恵比寿に移動し「ウッディ・アレンの夢と犯罪」を観ました。しかし映画の日だというのに&公開からそれほど経っていないというのに、かなり空いていました…人気ないのかしら。
彼がNYを離れてロンドンで撮った3本の最終作で、ユアン・マクレガーとコリン・ファース主演。なんというか、とても教訓的な映画だと受け取りました。犯罪を扱っており、運命の分かれ目に直面する人々を描いている点で「マッチポイント」と共通するところも多いのですけど、「マッチポイント」の方がよく出来ていたと思う。おかしみが足りない気がしました。なんだかんだ言って、嫌いじゃないですけどね。

より以前の記事一覧